天王寺七坂めぐり

天王寺七坂めぐり 天王寺七坂 大阪市を縦に横たわる上町台地に続く坂道は「天王寺七坂」といわれています。 大阪七坂のうち、学園坂を境として南側が下寺町(したでらまち)となり「天王寺七坂」と呼ばれる坂の、「源聖寺坂」「口縄坂」「愛染坂」が地域内にあり、この下寺町は江戸時代初期、大坂の陣の後、大坂城代松平忠明が大坂城下の整理再編を行った際、城下にあった仏教寺院を郊外に移転、その際この地に多数の寺院が集まり、寺町が形成されたそうです。 しかし明治時代になると、※廃仏毀釈により多数の仏教寺院が廃寺となったり移転したりして数を減らし、さらに市街地の拡大に伴い周辺は住宅地や商業地となり、かつての賑わいはなくなりました。 現在においても大阪市内でも有数の仏教寺院集積地域となっており、とくに下寺町1丁目はほとんどが寺院です。 ※明治維新後に成立した新政府が1868年(明治元年)3月に発した太政官布告「神仏分離令」、1870年(明治3年)の詔書「大教宣布」など神道国教・祭政一致の政策によって引き起こされた仏教施設の破壊などを指しています。 下寺町2丁目南側は松屋町筋の東西にオートバイの販売店が多数並ぶ地域となっており、「バイク通り」とも呼ばれています。 ■真言坂 「いくたまさん」こと生國魂神社に続く坂道でこの坂の名前は真言宗のお寺があったからだそうです。生國魂神社は井原西鶴像や松尾芭蕉句碑・米澤彦八の碑(上方落語発祥の地)として知られています。 ■源聖寺坂 浄土宗の寺院。寺町として歴史ある下寺地区に位置する。天王寺七坂のひとつである源聖寺坂の名前の由来はこの寺院からなる。狭い石畳のゆるやかな坂道が続くこの坂は、織田作之助の夫婦善哉の舞台になりました。 ■口縄坂 「口縄」とは大阪の古い言葉で「蛇」のことであり下から眺めると蛇のように見えるのでこの名前が付いたようです。 ■愛染坂 愛染堂勝鬘院(しょうまんいん)続く坂道。大阪の三大夏祭りのひとつとして有名な愛染祭が行われ「あいぜんさん」は縁結びの神様です。金堂に祀られる愛染明王は、主に良縁成就・夫婦和合の本尊として有名で、境内にある「愛染めの霊水」は飲むと愛が叶うといわれ、女性参詣者が毎年たくさん訪れます。また、小説家の川口松太郎さんが、この近くに住んでいたこともあり、映画化もされた『愛染かつら』のモデルとなった縁結びの霊木「愛染かつら」が有名です。 ■清水坂 清水寺の横を通る坂。和宗総本山・四天王寺支院。大阪市内唯一の天然の滝である「玉出の滝」(たまでのたき)があることでも知られている。京都の清水寺 を模して建立されたために、新清水寺(しんきよみずでら)とも。本堂の西側の崖に柱を組み上げて作った舞台があり、京都の清水寺を彷彿とさせる。 ■天神坂 安居天神に通じる坂なのでこう呼ばれています。 安居神社は少彦名命菅原道真を祭っている神社で、境内には真田幸村戦死跡碑が あります。 ■逢阪 国道25号線のこの道は残念ながら情緒はまったく無く、谷町筋から堺筋へ向かう車が多く通ります。右手には骨仏で有名な一心寺があり、また坂を上ると四天王寺の西門がみえてきます。 実際にお参りして 太古の大阪はこの上町台地がぴょっと大阪湾に突出していて鳥のくちばしのようだったそうです。そして上町台地の東は淀川等の豊富な水量が運んでくる土砂により埋まり東に成り・・そして西は打ち寄せる波が 土砂を運び西に成り・・・。そんな古の大阪へタイムトリップした感覚が味わえます。   ▲ページの一 Back